2017年1月11日水曜日

『東京都 賞味期限切れ前の備蓄クラッカー無料配布へ』から読み取る、官僚的振る舞い

8日朝のNHKニュースで伝えていた『東京都 賞味期限切れ前の備蓄クラッカー無料配布へ』は、結構いろいろなことを“教えてくれる”内容だった。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20170108/k10010832181000.html

記事の趣旨はこうだ。東京都が災害に備えて備蓄してる非常食料のうち賞味期限が迫っている10万食を希望者に配布するというもの。これまでは廃棄処分していたものを小池知事の「もったいない」の精神で、個人やフードバンクなどの運営者など必要な人たちに無料で配布するというものだ。

 このニュースを見ていて、家族の反応は、「なんてこれまでもったいないことをしてくるんだ」というものだった。フツーの人から見れば、それはまっとうな感想だろう。
 しかしこれに対して、私は違う「考え」を示した。

 非常食の備蓄を担当する「係」の人は、賞味期限が来たときどう考えるだろう。普通の感覚の人ならば、これを有効に利用できないか。と思うに違いない。
 ・恵まれな人に配る。・市民に放出する。・イベントなどで景品にする。などいろいろ思いつくだろう。そして「係」は、上司に相談する。有効利用する道を考えましょう。上司も普通の感覚ならば、そlれはいいと思うかもしれない。しかし、官僚機構(役所だけでなく、民間会社も同様だ)に属する人間の発想はちょっと違う。
 賞味期限切れ間際のものを無償で配布したら、どういう反応があるだろうかと考える。好意的な反応がたとえ9割だったとしても、優秀な官僚は残り1割の反応を考える。
 そんな、賞味期限切れ間際の食品を配るなんてオカシイ。それを食べた人に何かあったらどうするんだ。と言った反応をする大衆は必ずいる。現代ならそうした極少意見は、ネットで増幅され、あっという間に「炎上」するのがオチだ。
 そうなったら、「係」や「上司」はどうなるか、もっと上の上司に呼ばれ、組織に面倒を起こしたと責められる自分を想像する。それは賞与査定や考課、昇進に影響する。
 
 かくして、そんなことになるならば、そっと廃棄処分すればよい。新たな予算で備蓄を買うことになっているのだから、何の問題もない。と考えるだろう。かくして非常食は利用されることもなく、これまで廃棄されていった。
 
 市民感情からはヘンかもしれないけど、これが現実だろう。
『日本という国』では、こういうことはトップが言わなければ何も動かない。「係」や「上司」がどうしてこれまでやってこなかったの?と聞かれれば、こう言うだろう。
「私ももったいないから有効利用できないか考えていたけど、そういう指示がなかったからできなかったんです」と。
 『日本という国』『都庁(役所)という伏魔殿』それ現実だ。
家族はその説明に納得した。


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