2017年9月16日土曜日

EV(電気自動車)革命は、原子力発電問題を避けてとおれない。なぜメディアはそのことを避けるのか

 

東電・柏崎刈羽原発
フランスやイギリス、また中国でも将来ガソリン車の販売を禁止し、電気自動車に移行させる案がここにきて急浮上している。
 排気ガスとして有害物質を出す、化石燃料を使った車から、それ自体はクリーンな電気自動車へシフトさせていこうという世界的潮流は次第に大きくなっている。それはそれでたいへん“良きこと”だ。
 新聞報道もこの自動車社会の将来の動きを先取りした報道になりつつある。しかし、こうした報道(の多くに)、触れてない部分がある。
 当たり前のことだが大量の電気を作りだすには膨大な電力供給が必要だ。そのためには、(現在のところ)原子力発電を抜きには実現できない。これは自明のことだろう。
慶応大学が開発した電気自動車(NETより「引用」)
ガソリン車から電気自動車になっても、その電気を化石燃料で作るのなら、かえって熱効率は悪い。石油を燃やして電気を作るのにも、それを送電するのも、いわゆるエネルギーロスが起きる。車に直接石油(ガソリン)を使った方がはるかに効率がいいのは自明のことだ。
 大量の電気を作りだすには太陽光や風量などだけでは、現在のところとても賄えないのが現実だ。原子力発電の有効利用があって初めてそれは実現するハナシだ。原子力発電は火力に比べて温暖化ガスの排出ははるかに少ない。その意味ではクリーンエネルギーと言っていい。エネルギーとしての有用性と、原発の危険性はきちんと分けて論じ中ればならない。
 東京電力・柏崎刈羽原発の一部に「適合」がなされたが、朝日新聞は社説などで、疑問を呈していた。その部分だけ見ればスジの通った「ご主張」かもしれないが、エネルギー政策全体を、この新聞はどう考えているのか、どうしていくべきなのかという主張はわからない。結局、反原発の人々の「意に沿う報道」でしかないと見えてしまう。それは、一部の知識人にも言えることだけど。
 何も、危険なままで原発をどんどん稼働させろ。福島第一で原発被害に遭われた方々のケアなんていらないと言っているのではない。要はリスクへの覚悟をどこに置くかという問題だ。原発リスクと温暖化リスクのバランスをどこでとるのかとう問題だろう。
 こうした最も根源的な問題に目を向けさせるのが大手メディアの役割なのではないか。そうしたことを避け、原発の部分の問題だけをことさら一番の問題のようにあつかうだけの報道には、トランプさんでなくても「Fake News!」と言いたくなる。

 欧州の電気自動車への移行計画のニュースで、象徴的なったのが、イギリスやフランスが「完全」を目指すのに対して、ドイツは「ディーゼル」は捨てないというような記事だった。これは、ドイツが原発ゼロを目指していることと無関係ではあるまい。反対にフランスなどは原発に積極的だ。

 電気自動車のニュースと原発問題は実は大きくつながっている問題だということ。まずそれを読者(や視聴者)に分かってもらってから、ディテールの報道に入るべきだよ。

トヨタの燃料電池車「mirai」
水素自動車に未来はあるか?
先日、中原街道(東京)を走っているのを見かけて、「オオ・・!」と思った。静かに増えていくんだろう。水素ステーションもすでに2件、知っている。


 

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